友の言葉を探す旅
1年前、20年来の親友がこの世を去った。
あまりにも唐突で衝撃的な出来事に、
飲み込んだ息は、今でも喉の奥に引っかかったままだ。
言葉もなく去っていった彼の言葉を探しに、
彼が生まれ育った街を訪ねた。
彼が見上げたであろう空を、見上げる。
彼が踏みしめたであろう道を、踏みしめる。
彼が吸い込んだであろう空気を、吸い込む。
その日の夕日は、分厚い雲の向こうから
何かを語りかけるかのように輝いていた。
これからの日々、僕は彼のことを
時おりぼんやりと考えながら生きていくのだろう。
友の言葉が見つかる日を、ぼんやりと待ちながら。