フリーランスになって3ヶ月、本当に良かったと思うこと。
今年の3月末くらいから、フリーランスのクリエイティブディレクターなどをしながら生計をたてている。
はじめる前は正直、何もかもが不安だった。
個人事業主として活動するために必要な、役所や税務署通いは苦痛だったし(本来「職員室」的な場所が苦手)、シェアオフィスを探して下見して契約して入居して、必要な道具を買い揃え、必要なwebサービスを導入し、などなど一連の工程は果てしなく長いものに感じられた。
「あとは仕事するだけ」な状態を作り上げるまでに、なかなかの時間とエネルギーを費やしたのだ。
そして今、有難くも仕事をいただけてはいるが、収入的には満足できる状態であるとは言い難い。フリーランスには退職金がないため、会社員よりも多く稼いでトントン、という現実が、より不安を増長させているのかも知れない。
だが「いま幸せか?」と問われれば「幸せです!」と元気よく答えられる自信がある。
収入が不安定で、社会的な信用度も高くないフリーランス稼業ではあるが、僕はこの道を選んで良かったと、心の底から思っている。
毎朝決められた時間に出勤しなくても怒られないとか、気が向かないからと仕事をしなくても怒られないとか、仕事中に昼寝をしても怒られないとか、昼酒を飲んでも怒られないとか、仕事中に変なサイトを見てても怒られないとか(見てないよ)、大小さまざまなメリットはある。
でも僕が感じる、フリーランスで働くことの最大のメリットは「仕事が自分のものになる」ということだ。
会社員であれば、好むと好まざるとに関わらず、与えられた仕事を遂行する義務がある訳だが、それは自分の仕事である以前に、会社の仕事であり、組織の仕事であり、チームの仕事でもあったりする。忙しければ他の人に振り分けることもできるし、体調が悪ければ他の人に代わってもらうこともできる。
「自分がやらなくても誰かがやればそれでいい仕事」をこなし続けるのが、会社員の宿命であるように今は思う。
ところがフリーランスの立場になると、仕事は100%自分のものだ。忙しかろうと体調が悪かろうと、自分の仕事は自分が行い、自分が収めなければならない。仕事を他の人に代わってもらうことは、すなわち収入を他の人に明け渡すことを意味する。それが続けば、生活は立ち行かなくなる。
フリーランスで仕事をする、そこに存在する責任感と重みが、会社員時代とは圧倒的に違うと感じる。
自分が関わるプロジェクトの成功を本気で願うようになったし、そのために本気の試行錯誤を続けられるようになった。
会社員とフリーランス、どちらの環境が、より自分を高められるか。僕にとっては後者であると思う。
フリーランスをはじめて、まだたったの3ヶ月。だけど会社員時代には有り得なかった、濃密な経験の連続だったように思う。これを続けた後に、はたして自分がどこに立っているのか、今からとても楽しみにしている。