遠い遠い目標だった、ニコンサロンに応募する。

「いつかはニコンサロンで展示を」。これが、もう何年も前からの、遠い遠い目標となっていた。

ニコンサロン」とは、文字どおりニコンが所有するフォトギャラリー。写真文化の普及・向上を目的とする写真展示場で、1968年に開設されて以来、多くの写真家や写真愛好家に写真活動の場を提供してきた、僕にとっては憧れの場所。

プロ・アマの壁を取り払い、企業戦略に影響されず、あらゆる分野の優れた作品の展示場として写真展本来の姿を追求することを目的としているので、審査さえ通過すれば、誰でも無料で展示することができる。

 

その存在を知りながら、そして、そこでの展示を夢見ながら、今まで応募に踏み込めなかった言い訳はいくつかある。

 

ひとつは「応募に必要な作品数」。

規定によると「写真展に必要な枚数(40枚程度またはそれ以上)」を審査に提出しなければならない。

40枚以上。これは、写真をかじったことのある人にはご理解いただけると思うが、相当にハードルの高い数字。平たく言うと、「ひとつのコンセプト」で「奇跡の一枚」に近いクオリティの写真を「40枚以上」用意しなければならない、ということ。これを達成するための時間とエネルギー量が、今までの僕には決定的に不足していた。

 

ふたつめは「自分の写真に、イマイチ自信が持てなかった」こと。

写真を撮れば撮るほど、過去の作品に納得ができない状況が延々と続いてきたこともあって、どこまでいっても自分の写真はダメなままなんじゃないか、とさえ思っていた。この負のスパイラルは、年初に手に入れたCarl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZF.2によって、ある程度快方に向かったと言える。自分の作品に、少しは誇りを持っても良いんじゃないかと思えるようになった。

 

さいごは「作品制作に没頭できる環境になかった」こと。

会社員時代の自分を否定するつもりは毛頭ないが、フリーランスとなったことで、すべての時間が自由にコントロールできるようになった。もちろん生活のための仕事は心を込めて行いつつ、作品制作のために割ける時間が劇的に増えた。自分の理想とする環境を自ら作り上げたことで、やりたいことに全力で取り組むことができるようになった。

 

「ニコンサロンへ応募しないための言い訳」をすべて乗り越えた今、何年も前からの遠い遠い目標にチャレンジしてみようと思う。

次回の締め切りは8月末。この2ヶ月弱の間で、少しでも納得できる作品を追い求めていこうと思う。

 

もし審査に落ちたら…。
応募作品をそのままそっくり使って、どこかで個展でもやろうかな、と。