晴れた日には、晴れの写真を。

日常的に写真を撮っていると、ふとこんな感慨が押し寄せてくる。

「いま撮った一枚、もう二度と、同じものを撮ることはできないな」と。

 

考えてみればアタリマエの話で、仮に次の日、同じ場所・同じアングルでカメラを構えたとしても、天候や日の傾き、風の向きなど、さまざまな要因から、まったく同じ写真など撮ることはできない。

 

例えどんな傑作でも、例えどんなにつまらない作品でも、すべての写真は一点ものであり、その日その場所でしか写らない風景が収められている。

 

そう思うと、かつて夢中になってシャッターを切り、クオリティ不足から削除してきた、おそらく数万枚におよぶ写真たちについて想いを馳せてみたりする。

クオリティ不足とは言え、それらにも、その日その時その場所でしか撮れない「何か」が写り込んでいたはずなのだから。

 

そしてこうも思う。

 

晴れた日には、晴れの写真を撮ろう。

雨の日には、雨の写真を撮ろう。

夏には夏の、冬には冬の、

その日、その時、その場所でしか撮れない写真を撮ろう。

愛情込めて。心を込めて。

 

それを続けていくことで、きっと、もっと大切な「何か」を写すことができると思うから。